オリンパスや大王製紙等で不正会計が行われたことを受けて、金融庁は新会計基準の原案を作成、7日に明らかとなりました。基本的には企業の不正会計を事前に防ぐためのチェック体制を課すものですが、私が何より驚いたのが「抜き打ち監査」の明文化です。
従来の監査に「抜き打ち」の概念、文言は皆無だったように思えます。そもそも監査法人に強制捜査権みたいなものはありませんから。抜き打ちということは、クライアント(監査対象)の事前承認のない監査が起こりうるということですよね。これは個人的には監査の革命と認識してます。監査法人と投資家の間のいわゆる期待ギャップがまた一つ埋められたのかもしれません。
ただ、問題も残ってます。監査法人はクライアントから報酬を受け取り、監査を実施しています。両者は基本的には良好な関係を構築している間柄です。チェックする側とされる側が契約関係ってどうなの?というそもそも論は今回は置いときますが、契約関係にある一方がもう一方を「抜き打ち監査」というのも直感的にはしっくりきませんね。監査報酬の増加という課題も残るでしょう。