いきなりですが私は簿記というのは非常に敷居の高いツールだと思っています。簿記の初学者はまず「仕訳」を覚えることから始めます。仕訳の意味は会計学を学べばある程度わかるのですが、初学者がいきなりそれを理解するのは至難の技です。ですからとりあえず仕訳を覚えるのです。例えば次の仕訳を見てみましょう。
(借方)現金預金1,000,000 (貸方)資本金1,000,000
簿記に馴染みのある方なら「出資が1,000,000円あった」と即答できるでしょう。でも初学者の方はまず、「なぜ資本金が右なんだろう?」と考えます。これ結構深いんですよね。でも会計学の知識がない状態であれこれ考えても答えはでません。だからとりあえず覚えるのです。これ言語の学習に似てる気がします。例えば英語で「愛してます」は「I love you」ですが、なぜloveは愛なんだ?なんて考えませんよね。こういうもんだと割り切るのが必要です。簿記も同じです。そういうもんだ。それがルールなんだと割り切って覚えてしまう。これが重要になります。
だから「素直な方」は簿記は馴染みやすいと思うんです。言われたとおりまずは仕訳を覚えればいいからです。一方で私のような「ヒネクレ者」は苦労します。なんで資本金が右なんだ?と突っかかってしまうからです。もちろん会計学を学べば理由はわかるのですが、その理屈は初学者には理解できない。結局先に進めないんですね。勉強したての頃、結構苦労した覚えがあります。
私は皆様に簿記にまず馴染んでいただきたいと考えています。でも先程述べた通り、簿記って実は敷居が高い。直感的に「仕訳」が理解できる方法って何かないかな?その答えを見つけるのが私の会計人としてのテーマの一つでもあるのです。