大女優、森光子さんがお亡くなりになり、残された遺言書に財産の一部をジャニーズの東山紀之さんに渡す旨の記載があったとしてちょっとした話題になっています。相続人は被相続人の家族、具体的には配偶者と①子②親③兄弟姉妹に限られます。この番号は優先順位で、①子がいなければ②親、親もいなければ③兄弟姉妹が対象となります。つまり、赤の他人は相続人にはなり得ないのですが、被相続人が遺言で誰々に遺産を与えると記載した場合、その者は他人であっても、遺産を手にすることができるんですね。これを「遺贈」と言います。今回の件はこれに該当します。
この遺贈という制度、遺族側の視点で言うとたまったモンじゃありません。赤の他人がズカズカ入ってきて財産をかっさらっていくわけですから。森光子さんは家族がいらっしゃらないとのことなので、今回は問題ないですが、通常は超揉めますね。それに一定限度歯止めをかける制度として、「遺留分の減殺請求」というのがあります。遺言の内容に関わらず、遺族が遺産の一部を請求できるというものです。
いずれにせよ、相続はただでさえ「争族」なのに他人まで入ってきたらまさに群雄割拠ですよ。相続の円滑な運営のためにも、「遺贈」はほどほどにと声を大にして言いたい訳であります。