今の時代、経営者は自社の「決算書」を読めるのが必須であると言われ、巷では経営者向けの「決算書の読み方」的なセミナーや研修が溢れています。なぜ決算書を読めなければならないか。決算書とは会社の実態を数値で表現した書類であり、いわば自社のカルテのようなものです。カルテを読んで自分の現況を知り、将来への対策を立て、実行することが経営者の責務です。よってその取っ掛りとして、当然決算書が読めなければなりません。
決算書を作るためには日々の取引を記帳し、決算時にそれを集計・整理します。日々の記帳は「仕訳」と言われ、これにもルールがあります。ただ、経営者がこの仕訳を理解する必要はないと私は考えます。これは経理の仕事です。経営者は仕訳を経て最終的に作成された決算書が読めればそれでよいのです。決算書を読んで自社の現況を把握できること。それが経営者のとりあえずの目標となるでしょう。
ただ、一言だけ言わせていただくと、決算書がどのような過程を経て作成されるか、そのことを「直感的に」理解していた方がよいというのが私の持論です。「仕訳」の知識はいらずとも作成過程を「直感的に」理解している。この件についてはまた日を改めて発信していきたいと思います。