岡山市倉敷市の公認会計士 税理士 森島会計事務所

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相続は争族?

相続は争族?

昨日テレビを見ていたら「相続」をテーマにしたバラエティ番組をやっていたので何気に拝見しておりました。まずは税制改正により平成27年1月1日以後の相続から基礎控除額が改定される旨の説明がありました。

(現行)基礎控除額=5,000万+1,000万×法定相続人数

(改正)基礎控除額=3,000万+600万×法定相続人数

法定相続人が3人とした場合、基礎控除額は以下のとおりとなります。

(現行)基礎控除額=5,000万+1,000万×3=8,000万

(改正)基礎控除額=3,000万+600万×3=4,800万

つまり、現行では相続財産が8,000万の相続では相続税は発生しませんが、改正後では相続税が発生しうるということ。皆さん注意してくださいねという内容です。

その後は、相続の際によく起こるトラブルをドラマ仕立てでわかりやすく解説してくれます。

とある老夫婦には子供が3人(長男、長女、次女)いて、姉妹はよく親の面倒をみるが長男はほったらかし。そんな中、母が亡くなりました。家族が悲しみにくれているところ、長男がズカズカ入ってきて、「遺産よこせ」。この展開、わかりやすすぎますね(笑)しかし、母は生前、自筆の遺言書を残しており、その内容は「遺産は父と娘2人にのみ遺す」というものでした。めでたしめでたし・・とはいかず、その遺言書には日付が「○月吉日」となっており無効!長男にまんまと遺産を取られてしまうのでした。

その後、次は父が亡くなります。母の時の教訓を活かし、父は生前、自筆ではなく公正証書による遺言を残してました。公正証書遺言とは第三者である公証人が作成する遺言書で、法律面のチェックができるため、自筆の時の日付の記載漏れといったミスはおこりません。遺言書の内容は「遺産はすべて娘2人に遺す」というもの。これでようやく長男を排除!めでたしめでたし・・・とはいかず、長男には「遺留分」を請求されてしまうのでした。遺留分とは法定相続人が相続財産を最低限請求できる権利です。結局、娘は遺留分を自身の預金を切り崩して長男に支払ったのでした。うーむ、悔しい!!というところで再現ドラマは終了します。

このドラマ、とてもわかりやすくておもしろかったです。ポイントは二つですね。

  1. 遺言書は自筆ではなく公正証書とすべし
  2. 遺言書を作っても遺留分に留意すべし。

相続における基本中の基本です。特に遺留分は行使されることを前提にその資金をあらかじめ準備しておくことが肝要です。

ところで、このドラマを見て思ったのが、このご家族はなぜ弁護士等の専門家にこの件を相談しなかったのだろうかということです。公正証書遺言や遺留分のくだりは専門家なら絶対に見過ごしません。このご家族は多少の報酬を払ってでも専門家に相談すべきだったと思います。そうしなかったため、結局長男に遺産を権利分フルにもっていかれることになりました。どちらが高くついたかということですね。まぁドラマに突っ込んでもしょうがないのですが。。。「相続は争族」とよく言われます。「我々は関係ない」とスルーするのではなく早めの対策が必要かと思われます。

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