伊藤忠商事の元社員が出向先のニュージーランド関連会社にて、およそ6億2千万円を着服し逮捕されたそうです。元社員は会社の金を70回以上に分けて自分の口座に振り込み、自身のFX取引の損失に充てていたそうです。
「伊藤忠商事のような大企業でこんな巨額の横領が可能なの?」
といった意見も聞こえてきそうですが、関連会社レベルになってくると本社の統制もほとんど効いてこないでしょうし、ましてや海外の会社ですから管理体制もほぼなかったのだと思われます。
今回のような横領事件が起こるのは、大抵お金の管理担当者が一人のみの時です。やはり他人のチェックを受けないと人間、「やってしまう」んです。私も過去、監査業務の中で悲しいかな多くの「横領事件」を見てきました。中には個人的にも信頼していた担当者が実は会社のお金を使い込んでたなんてこともあり、軽い人間不信に陥ったこともあります。
お金の管理は2人以上でやる。これは管理における基本中の基本です。今回の伊藤忠の元社員もおそらく一人でお金の管理をしていたのでしょうね。