今日は内輪ネタ?です。すみません。
日本公認会計士協会が9日、上場企業の決算発表方法を見直すプロジェクトを立ち上げたと発表しました。決算期末から決算発表まで30日~45日程しかなく、十分なチェックができないということで、意見を取りまとめて東証へ提言するそうです。
コレどういうことかと申しますと、例えば、3月末決算の上場企業の場合、だいたい4月の下旬から5月上旬にかけて短信発表を行います。これはいわゆる「取り急ぎ」の業績発表です。この時期、日経の紙面は多くの会社の短信発表で埋められますね。その後、6月の下旬頃に有価証券報告書というものを公表します。これは「確定」の業績発表です。ただし、その内容は何十ページもある分厚いものとなります。
上場企業の業績発表には監査法人(公認会計士の集団)の監査を受けなければなりませんが、監査対象となるのは有価証券報告書です。短信は監査対象ではありません。ですから、本来監査法人はじっくり時間をかけて有価証券報告書の監査をすればよく、短信は企業の責任において自由に発表すればいいはずなのです。
ところが、上場企業側からしてみれば自身の見解で短信を発表したものの、監査を経た有価証券報告書でその内容が変わってしまう(利益が変わるとか・・)と投資家の信頼を得ることができません。なので、上場企業は監査法人に対し、短信発表までに監査を実質終了させ、短信=有価証券報告書となるよう要請してくるのです。
私も以前、監査業務をしていた際は、実質1ヶ月程で監査を終了させ、監査法人内の審査を受けていました。当時はとにかく大変だった記憶があります。
今回の提言は、「じっくりと腰を据えて監査を行える環境ができる」という点で望ましい方向性だと思います。