岡山市倉敷市の公認会計士 税理士 森島会計事務所

岡山市・倉敷市の公認会計士・税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士です

TEL: 086-362-0375

FAX: 086-239-4950

〒709-1213 岡山市南区彦崎2910-3

04月

東芝、監査法人変更か

東芝の話題が尽きませんね。

あらた監査法人が東芝の第3四半期決算について「意見不表明」とした件については先日のブログでコメントさせて頂きました。それを不服とする東芝が監査法人の変更を検討しているようです。それもトーマツやあずさといった大手ではなく、準大手の監査法人とのこと。

要するに「適正意見」をくれそうな監査法人に鞍替えするということですね。監査法人によって意見が違うというのは理屈上あり得る話ですが、都合のいい意見を出す監査法人を選ぶことがまかり通ってしまうと、監査制度自体の信頼性が揺らいでしまわないか少し不安です。

ただ、今回のように一旦「意見不表明」が出た会社の監査をするということは、後任の監査法人は当然、相当のリスクを背負います。どこが引き受けるのか注目ですね。

法人税、消費税で電子申告を義務化か

財務省と国税庁は企業が法人税・消費税を申告する際、インターネットによる電子申告(e-Tax)を義務化するよう与党の税制調査会や経済界と調整に入るとのことです。早ければ2019年度からの開始を目指します。

現在、申告は電子申告と紙(申告書)による申告の選択制となっていますが、税務署は普段から電子申告を強く推奨しており、我々税理士に対しても電子申告の普及を訴えています。

税理士サイドから見ると電子申告の義務化は業務の効率化の観点からありがたいです。でも納税者サイドから見るといくつかの弊害があるかもしれません。

まず、年配の納税者の中には今でも「紙でないと信用できない」とおっしゃって、紙による申告を選択される方が少なからずいらっしゃいます。お気持ちはよくわかります。我々税理士でさえ、電子申告開始当初は「本当に申告データが税務署に届いてるのか?」と心配で電子申告後、税務署に問い合わせた、なんて話もよく聞きました。ただ、これについては慣れの問題とも思っており、時間が経てば解決するでしょう。

次に、地方税との関係があります。法人税や消費税というのは国税で、県民税や市民税といった地方税も申告しなければなりません。現在、ほとんどの自治体で電子申告が可能ですが、それでも一部の自治体では電子申告不可のところがあります。一方で電子申告、もう一方で紙申告だと業務が煩雑です。国税の電子申告を義務化するなら地方税の電子申告も義務化すべきと考えます。

あと、一般にはあまり関係ありませんが、超巨大企業ともなると、申告による提出書類が膨大でそもそも電子申告で対応できないという話を聞きます。電子申告を義務化するなら、提出書類は納税者サイドで保存可能にするなど周辺ルールの整備も必要でしょう。

会計士協会、東芝の監査法人を調査か

あらた監査法人が東芝の四半期決算について意見不表明としたことを受け、日本公認会計士協会が当該監査法人の監査手続が適正だったか、調査に入るとのことです(日本経済新聞4/14付朝刊)。

まず「意見不表明」って何?ですが、監査法人が監査対象である決算書について、「適正」とも「不適正」とも言えない状況である、という「意見」です。余計わからなくなりそうですが、要は監査手続そのものが何らかの事情で実施できず、結論が出ないということです。

この意見不表明が出ること自体が異例中の異例ですが、さらにそれを受けてすぐさま会計士協会が監査法人を調査するのも異例です。

でも何で調査が必要なんでしょうね。この調査には「あらた監査法人がキチンと監査をやっているのか?」というニュアンスが含まれている気がします。ただ、これだけ注目されている東芝の監査を引き継いだ監査法人が、その監査の手を抜くとは思えませんよね。

意見不表明が出た以上、東芝の上場廃止に現実味が出てきたわけですが、そうなると日本経済に大きな影響を与えることは必至です。うーん、色々な思惑が交錯しての調査なのかな。多分、私の考えすぎなんしょうけど。