続いては事業承継税制です。非上場株式に係る相続税・贈与税の納税猶予制度についていくつかの見直しが行われています。ちなみに相続税・贈与税の納税猶予とは、後継者が自社株式を相続あるいは贈与を受けた場合に、当然かかるはずの相続税あるいは贈与税の課税が後継者の死亡等まで猶予される制度です。
改正された内容の中で注目すべきは「利子税の免除」です。改正大綱の中に、「経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)の経過後に納税猶予税額の全部又は一部を納付する場合については当該期間中の利子税を免除することとする。」とあり、利子税の割合が年2.1%から0.9%に引き下がるとあります(特例基準割合が2%の場合)。
この事業承継税制は従来からあったのですが、この利子税が怖くてなかなか手が出せないという話を聞いたことがあります。例えば、もし相続税・贈与税の納税期限の翌日から5年後に納税猶予の要件が切れたら、5年前まで遡って利子税が課税されてしまうのです(年利2.1%の単利計算)。今回の0.9%への引き下げで事業承継税制の活用が少しでも後押しされればと考えています。