2014年3月期決算にてマツダやセイコーエプソンなど865社が繰延税金資産を積み増し、当期純利益が大きく改善したそうです(日経5/28朝刊より)。そもそも繰延税金資産とは何ぞや?ですが、(小難しい)理屈を知りたい方はコチラ
イメージだけでつかむなら、払った税金(法人税や住民税等)の一部を税金の「前払い」と考え、その前払い分を貸借対照表の「資産」として計上することです。資産として計上するということはその分、当期純利益が増えると思っていただいて結構です。
資産は通常、将来会社に「お金が入ってくる」がゆえ資産なのですが、繰延税金資産は将来会社に「お金の支払いがない」がゆえの資産です。税金を前払いしているからその分将来税金を支払わなくていいという理屈です。
・・・今の説明だけでも何ともボンヤリとしてませんか?もちろん会計理論上はキチンと説明のつく資産ですが、現場の感覚から言うと架空(言い過ぎ(笑))・・・もとい、何となく実在性に乏しい資産なんですね。
皆さんが株式投資(上場会社)をされる際、もし投資先の決算書を見る機会があるのなら、この繰延税金資産に注目してみて下さい。業績が不安定にもかかわらず、多額の繰延税金資産が計上されているようでしたら、その会社の利益はかなり怪しいと疑ってかかっても差支えないかもしれません。