岡山市倉敷市の公認会計士 税理士 森島会計事務所

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消費税

医療機器購入の消費税還付を検討

自民党の野田税制調査会長は、党の医療問題に関する議員連盟の会合で、消費税率の10%引上げにあたり、医療機器の購入にかかる消費税の還付制度の検討を示唆しました。

コレ、どういうことかと申しますと、設備を購入する際、当然消費税がかかりますが、一般の事業者は当該消費税を負担しているわけではありません。

「いやいや、実際消費税払ってるでしょ!」

と突っ込まれそうですが、もう少し待ってください。

その設備を使って製品を生産し、それを販売した時、売値に消費税をかけますよね。つまり、設備を購入したとき支払った消費税は、製品販売時に回収しているんです。よって、事業者が消費税を負担しているわけではないということになります。

しかし、お医者さんの世界は違います。お医者さんの売値は診療報酬ですが、診療報酬は消費税が非課税です。お医者さんが医療機器を購入したとき消費税を払ったとしても、患者さんや保健機関に診療報酬を請求するとき消費税を転嫁できないのです。つまり、医療機器の消費税はお医者さんが負担することになります。

これについては以前から日本医師会等で問題視されており、最近だと、平成26年診療報酬改定時に診療報酬に消費税分の上乗せをすることで対応していました。

消費税を診療報酬改定で対応するのは理論的ではないので、今回の検討は望ましい方向なのだと思います。

「ケースで考える消費税率引上げ対策」公表

日本商工会議所が平成26年7月17日(木)にHPにて「ケースで考える消費税率引上げ対策」を公表しています。

→詳細はコチラ

結構わかりやすいのでオススメです。商工会議所さんが作るこういうパンフレットは良作が多い気がします。

予定ですと平成27年10月から消費税が10%に上がりますが、8%の時同様、価格設定や資金繰り等の対策が必要になるかと思われます。

 

 

消費税の複数税率導入に反対!

7月2日に経団連より「消費税の複数税率導入に反対する意見」が公表されました。

現在消費税率は8%ですが、生活必需品等は低い税率(軽減税率)にすべきという意見があります。それに対し、経団連は反対の立場を取っているわけです。

<複数税率に反対の理由>

  1. 複数税率は社会保障制度の持続可能性を損なう
  2. 対象品目の線引きが不明確で、国民・事業者に大きな混乱を招く
  3. 新たに区分経理の事務が発生し、大きく事務負担が増加する

 

1はちょっとわかりづらいですが、税率を低くする分税収が減って困るということです。

私は税理士としての立場上複数税率には反対でして、理由は上の2と3が該当します。特に2によりまたまた企業献金ラッシュが起こると思います。

あと、この複数税率はヨーロッパでは既に導入されているものですが、現地の評判はすこぶる悪いんですね。日本は何かと欧米礼賛で向こうの制度を無批判に取り入れようとする傾向がありますが、もう少し冷静な目で対処してもいいのかなとは思います。

仕入税額控除の95%ルール見直し

従来、消費税の計算において売上のほとんど(95%以上)が課税売上の場合、全ての課税仕入について仕入税額控除が認められていました(いわゆる95%ルール)。しかし、平成23年度税制改正により、95%ルールの対象者が中小事業者(年間売上が5億円以下の事業者)に限定されることとなりました。年間売上が5億円超の事業者は仕入税額控除の計算にあたり、①個別対応方式と②一括比例配分方式のいずれかを選択適用する必要があります。両者のイメージは下記表をご覧ください。

当該改正は、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用されるため、実務上平成25年3月末決算の会社から該当することになります。各社は①と②を比較考量し、有利な方を選択することになると思いますが、仮に①を適用する場合は、課税仕入を下記表のように3種類に分ける必要があり、あらかじめ分類ができていないと①の適用は実質無理ということになります。

それもあってか、昨年の今頃は全国の税理士先生が95%ルールの改正について顧問先に説明に回ってらっしゃったと思います。「①を採用するなら仕訳の段階で課税仕入の分類が必要ですよ!」てな感じで。

基本的には①を採用した方が税務上有利になることが多いですが、その反面仕訳上の手間がかかります。その金額的メリットと手間のデメリットを比較して①か②を決定する会社さんが多数なのではないかと思います。

住宅ローン減税と消費税 比較

先日、税制改正により住宅税制の借入限度額が増加し納税者が有利となる旨の話をしました。しかし一方で、消費税増税により住宅価格は上昇してしまいます。では税制のみを考慮した場合、いったいいつ、いくらの住宅を購入するのが一番有利なのか?そんな納税者の皆様の声が聞こえてきそうです。

今回、その有利不利判定を(勝手に)やってみましたのでここにご報告いたします。住宅価額は3,000万円、4,000万円、5,000万円で場合分けさせていただきました。

住宅ローン減税額-消費税=有利額

とし、この有利額が一番大きくなる組み合わせを検討しました。以下の表とグラフをご参照ください。結論としては、平成26年3月までに3,000万円の住宅を購入するのが税制上一番有利になるようです。反対に、平成27年10月以降に5,000万円の住宅を購入するのが税制上一番不利みたいですね。これは実は当り前の話で、住宅税制の借入限度額は限界(最大4,000万円)があるのに対し、消費税は限界がありません。よって住宅価格が上昇すればするほど消費税の負担が増えるんですね。

なお、これは超ざっくりの簡便計算です。実際のシミュレーションを行う場合は最寄りの税理士にご相談ください

消費税率の引き上げ

消費税増税案が平成24年8月に国会で成立し、平成26年4月1日から8%に、平成27年10月1日から10%になることが決定したのは記憶に新しいところだと思います。増税前の駆け込み需要とその反動による需要減。あるいは請求書発行やレジシステムの変更、会計システムの対応等それなりの混乱が予想されるでしょう。複数税率も検討されていますが実務家としてはこれ以上の消費税申告の煩雑化は是非とも避けて欲しいところです。

ところで、税率の適用ですが、建設請負契約や不動産などの賃貸借契約については「経過措置」が講じられる予定です。具体的には、下記のとおりとなります。

  • 平成25年9月30日までに契約、平成26年4月以降引渡→5%
  • 平成25年10月1日~平成27年3月31日までに契約、平成26年3月31日までに引渡→5%
  • 平成25年10月1日~平成27年3月31日までに契約、平成26年4月1日以降引渡→8%

上だと少々わかりづらいので図にしています。ご参照ください。これを見るとマイホームの購入は平成25年9月30日までに契約すればとりあえずは消費税5%ということになるのでしょうね。

消費税の事業者免税制度改正

消費税の免税事業者の判定について、以下の変更がありますのでご留意ください。

(改正前)

基準期間(前々期)の課税売上高が1,000万超の場合、当期は課税事業者となる

(改正後)

次のいずれかを満たす場合、当期は課税事業者となる

  1. 基準期間(前々期)の課税売上高が1,000万超
  2. 前期上期の課税売上高が1,000万超(給与支払額でも可)

平成 25年1月1日以後に開始する事業年度(個人は平成25年以降)より適用されます。

詳細は下表をご参照ください。