岡山市倉敷市の公認会計士 税理士 森島会計事務所

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貸倒引当金繰入限度額

当事務所のHPの「カテゴリー欄」を見ると、肝心な「法人税」がありませんでしたね。という訳で今回は今更ながらの法人税から、貸倒引当金の制度変更についてお話します。

平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、貸倒引当金制度の対象となる法人は以下に限定されます。特に1に注意です。

  1. 中小法人等(資本金又は出資金の額が1億円以下の法人、ただし大法人との間に完全支配関係のあるものを除く)
  2. 銀行、保険会社その他これらに準ずる法人
  3. リース債権等を有する法人

上記以外の法人は、経過措置として3年間は従来の損金算入限度額に対して一定割合を乗じた金額を繰入限度額とし、以後の適用はなくなります。添付資料を参考にしてみてください。

  1. 平成24年4月1日から平成25年3月31日までの間に開始する事業年度 3/4
  2. 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度 2/4
  3. 平成26年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度 1/4

引当金最後の砦とも言える貸倒引当金にもいよいよメスが入りました。これで会計と税務はますます仲が悪く・・、もとい乖離していきます。先日投稿した「税効果会計」の範囲がそれだけ広がることになりますね。

添付資料

消費税率の引き上げ

消費税増税案が平成24年8月に国会で成立し、平成26年4月1日から8%に、平成27年10月1日から10%になることが決定したのは記憶に新しいところだと思います。増税前の駆け込み需要とその反動による需要減。あるいは請求書発行やレジシステムの変更、会計システムの対応等それなりの混乱が予想されるでしょう。複数税率も検討されていますが実務家としてはこれ以上の消費税申告の煩雑化は是非とも避けて欲しいところです。

ところで、税率の適用ですが、建設請負契約や不動産などの賃貸借契約については「経過措置」が講じられる予定です。具体的には、下記のとおりとなります。

  • 平成25年9月30日までに契約、平成26年4月以降引渡→5%
  • 平成25年10月1日~平成27年3月31日までに契約、平成26年3月31日までに引渡→5%
  • 平成25年10月1日~平成27年3月31日までに契約、平成26年4月1日以降引渡→8%

上だと少々わかりづらいので図にしています。ご参照ください。これを見るとマイホームの購入は平成25年9月30日までに契約すればとりあえずは消費税5%ということになるのでしょうね。

税効果会計って③

前回からの続きです

(前回)税効果会計って②

しつこいようですが再度おさらいです。税効果会計とは税前利益に税率を乗じた額を税金費用とする手続きです。イメージとして添付資料を参考にしてください。税率を超過する部分40は繰延税金資産として計上されます。今回は当期に発生した超過分40のみでしたが、繰延税金資産は過去の超過分も含まれる点にご留意ください。そしてこの繰延税金資産は将来税金を抑える効果がある限りにおいて計上することができるということです。ここで「回収可能性がある場合」と言えば、「お、アナタわかってるね」という風に受け止められますので機会を見て使ってみてください。

今までの説明では超過分の例として、賞与引当金繰入額を引用しました。これを会計用語で一時差異と言います。一時差異とは将来解消される差異です。賞与引当金繰入額100はその時は税金計算上の損になりませんが、将来賞与が支払われた時に税金計算上の損になります。つまりいつかは税金計算上の損になるものを言います。これに対して当期のみならず、未来永劫税金計算上の損にならないものもあります。例としては交際費や寄附金ですね。なぜこれらが損にならないかの説明はここではしませんが、政策上そういうものがあるんだと思ってください。これらを永久差異と言います。今まで述べた税効果会計の対象となるのは一時差異のみであることにご留意ください。なので、税効果会計を適用しても、永久差異がある場合はその分税率が調整されないまま終わってしまうのです。

長くなりましたが、税効果会計の説明はこの辺で終了します。短くしたかったのですが結局長くなってしまいました。最後に、税効果会計の考え方には(1)資産負債法と(2)繰延法の2つがあります。今回の説明は(2)繰延法の考え方で行いました。でも、今の制度上の考え方は(1)資産負債法なんです。(2)で説明した方がわかりやすいのでそうしたまでです。その辺りのツッコミはご遠慮いただければ幸いです(笑)

<添付資料>

税効果会計って②

前回からの続きです。

(前回)税効果会計って①

本来は税率40%で税金400のはずが、実際は税率44%で税金440でした。税額ベースで40過大になってしまってますね。これはつまり賞与引当金繰入額100に対する税金40そのものです。税効果会計ではこの40は当期に前倒しで払った税金と考えます。当期の賞与引当金繰入額100は損益計算書上の損であるものの、税金計算上の損ではないためその分税金40が発生してしまいました。しかし一方で、翌期以降、実際に賞与100が支払われたときは、損益計算書上の損ではないものの、税金計算上の損となるため、その分の税金40は逆に抑えられる結果となります。税前利益との対応という視点では、当期は税金40が過大に支払われ、翌期以降は税金40が過少に支払われていると考えられます。そこで、税前利益と対応させて当期の税金40を繰延べて翌期以降の損にするという発想がでてきます。

これ何かに似てませんか?前払費用ですよね。当期の支払額は前払費用として資産計上し、翌期以降の損として処理するものです。

(以下、添付資料の”税効果適用後”の表と見比べてご覧下さい)

法人税等の下に法人税等調整額(以下、調整額)が現れました。前倒しで払った税金40を翌期以降の損とするため一旦損のマイナスとして扱います。一方で、将来損として処理するための資産勘定として繰延税金資産40が貸借対照表に現れてます。これが税効果会計の処理です。税金440-調整額40=400が税金費用となります。税金(=支払税額)ではないんです。税金費用なんです。この用語の使い回しがミソです。これを税前利益で割ってみてください。実際税率が40%になりましたね。これでめでたしめでたし。まさに、「税前利益に税率を乗じた額を税金費用にする手続き」が実施できました。今まで延々説明してきましたが、税効果会計とは要は、税金費用を本来の税率にするためのものなんだと覚えて頂ければ結構です。

ところで当期純利益を見比べて下さい。税効果適用前560→適用後600で40増加してますね。会社の経済実態が何も変わっていないにもかかわらずです。これが税効果会計が過去、会社に重宝がられた所以なんですね。ですが税効果会計には大きな落とし穴が一つあります。この繰延税金資産40が本当に資産足りうるかという判断が必要であるという点です。もう少し噛み砕くと、この40はもともとの賞与引当金繰入額100が翌期以降に税金計算上の損とされ、税金40分だけ抑えられるところに価値があります。将来のキャッシュアウトを40減少させるところに価値があり、それがまさに資産なのです。もし仮に、この会社がずっと赤字会社ならどうでしょう。翌期以降に100が税金計算上の損となってももともと赤字で税金が発生しないのだから、税金を抑える効果がありません。この場合、繰延税金資産は「回収可能性がない」として資産計上できなくなってしまうのです。要は、業績の悪い会社は税効果会計を適用できない場合が多いと考えてください。

税効果会計を適用すると利益が増加しますが、会社の業績が悪化すると繰延税金資産も計上できなくなり損が増え、さらに業績を悪化させるんですね。税効果会計は調子のいい者にはひたすらおだててその気にさせ、調子が悪くなると手のひらをかえす。溺れる者をさらに足蹴にする制度だなぁという印象です。私がこんなこと言うと怒られるかもしれませんが、正直悪趣味な数字遊びに過ぎない気がします。

<添付資料>

次回へ続く

(次回)税効果会計って③

税効果会計って①

中小企業ではほとんどお目にかかりませんが、上場会社はほぼ100%適用(強制適用)させられているであろう会計処理の一つに税効果会計があります。税効果会計とは、企業会計上の収益または費用と課税所得計算上の益金または損金の認識時点の相違により・・・(長いので以下省略)。・・・・いやぁよくわかりませんね(笑)

超ざっくりで言うと、税引前当期純利益(以下、税前利益)に税率を乗じた額を税金費用とする手続きです。・・これでもピンときませんね。

税前利益は文字通り税金を差し引く前の利益であり、そこから税金(法人税等)を差し引いて当期純利益、いわゆる最終利益が算定されます。理屈で考えると税前利益×税率=税金になるはずですが、現実はそう簡単にはいきません。実際は課税所得×税率=税金となります。ここで課税所得とは「税金計算をする上での」税前利益と考えてください。実は税前利益≠課税所得だから話がややこしくなります。その原因は、損益計算書では損として認められるけど税金計算上は損として認められないモノが存在することにあります。具体的には賞与引当金繰入額などがあります。

(以下、添付資料の”税効果適用前”の表と見比べてご覧下さい)

例えば、損益計算書上の税前利益が1,000でそのうち賞与引当金繰入額(損)が100あったとします。損益計算書における税前利益は当然1,000ですが、税金計算上は賞与引当金繰入額100が損として認められないためそこから省く必要があります。よって、税前利益1,000+賞与引当金繰入額100=課税所得1,100となります。課税所得1,100に税率(ここでは40%とします)を乗じた440が税額となります。これでめでたしめでたし・・とは残念ながらいきません。

損益計算書に話を戻すと、税前利益1,000で税金(法人税等)440となります。税金の税前利益に対する割合は440÷1,000=44%となります。アレ?税率は40%でしたね。実際の税率は44%。違っちゃいましたね。今回は計算過程をお話していますのでこの結果は当り前のこととして受け止めればいいのですが、偉い学者先生達が「これはけしからん」と言い出したんですね。つまり、税前利益1,000に対応する税金(法人税等)は400で、税率は40%でなければならない。と主張されました。この主張の解決策が税効果会計となります。先に述べた「税前利益に税率を乗じた額を税金費用とする手続き」を実施することとなります。

<添付資料>

次回へ続く

(次回)税効果会計って②